「動画編集で背景を透過させる方法ってどうやるの?」
「どんな動画編集ソフトでも背景を透過させることはできるの?」
「おすすめの動画編集ソフトを教えて!」
この記事をご覧になっている方は、このような悩みを抱えてらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、今回は動画編集において、背景を透過させるやり方やそのメリット・デメリットについて解説していきます。
動画編集で背景を透過させるためには
動画編集では、クロマキー合成という手法で、背景を透過させます。
そのクロマキー合成にはグリーンバックといわれる、緑の背景が必要です。
特に緑色であれば問題ないので、紙でも布でも構いません。
その基本的な方法は、グリーンバックで撮影したあと、被写体部分を切り取り動画背景を透過させ、合成させたい背景動画に被写体を配置し合成動画を作ります。
最初に、動画合成の作業をするデバイスについて解説します。
パソコンを使用する場合
初心者であれば、無料動画編集ソフトから始めたいと思われる方もいらっしゃるのではとないでしょうか。
なので、Macユーザーでしたら、iMovieがすでにインストール済みですのでおすすめです。
また、Windowsユーザーであれば、AviUtlはWindows 10に対応したフリーソフトですので、窓の杜ライブラリや作者のWebサイトからダウンロードできます。
スマホを使用する場合
iPhone、Androidともに、クロマキー合成は可能ですが、スマホでの作業はおすすめしません。
それは、被写体の背景を全て消し去る作業や、動画を合成する作業が必要で、このような細やかな作業は向いていないためです。
ソフト別動画の背景を透過させる方法4選
動画を透過させるクロマキー合成は、ソフトによってやり方が違います。
なので、今回は代表的な4本のソフトについて解説しました。
なお、動画を透過させる基本的な作業は、以下の通りです。
1.背景にしたい動画と、グリーンバックで撮影した被写体の動画を撮影する。
2.その2つの素材をソフト取り込む。
3.被写体の動画の背景を消し去って、背景にしたい動画に組み入れる。
iMovieの場合
画像引用元 :Apple Japan
iMovieとは、アップルのビデオ編集ソフトで、2010年から無料配布されています。
特に、パソコン用として配布されていることはもちろんですが、iPhone用アプリも準備されているので、iPhoneで簡単に動画撮影・編集をしたい人にもおすすめです。
このiMovie を使って、動画を透過させる方法は以下の通りです。
1.グリーンバックで撮影した動画と背景にしたい動画をiMovieに取り込む。
2.背景にしたい動画をタイムラインに読み込む。
3.グリーンバックで撮影した動画を2の背景動画の上におく。
4.グリーンバックで撮影した動画をクリックして、右横のビューアにある「グリーン /ブルースクリーン」をプルダウンで選ぶ。(iMovieではグリーンバックとはいわずに、グリーンスクリーンと呼びます。)
5.ビューア上のタスクバー「やわらかさ」のつまみを、被写体が右に調整すると薄くなり、左に行けば濃くなるので、被写体と背景をみながら調節する。
PowerDirectorの場合
画像引用元 :サイバーリンク
PowerDirectorは、サイバーリンク社が開発・販売するWindowsに対応した、動画編集ソフトです。
特に、簡単な操作性と充実のエフェクトで初心者でもプロ並みの動画編集ができるために大変人気で、5年連続国内販売シェアNo.1を記録しています。
PowerDirectorでの動画を透過する方法は以下の手順です。
1.タイムライン上に、グリーンバックで撮影した動画を下に、表示させたい背景動画を上に配置する。
2.グリーンバック上の被写体を切り抜くために、「マスクデザイナー」を起動させる。
3.グリーンバックの動画を読み込んで、「ブラシマスク」を選ぶ。
4.グリーンと被写体のみを「ペン機能」で囲んで塗りつぶしOKボタンを押して、背景にグリーンバックと被写体が表示させる。
途中、コマを送りながら塗り漏れがないことを確認する。
5.タイムライン上にある「PIPデザイナー」を立ち上げ、グリーンバックと被写体を読み込む。
6.「クロマキー合成」のメニューにチェックを入れる。
7.暗めのグリーンを選んで、「スポイトアイコン」を選び、緑部分をスポイトで抜き取っていく。
8.左側のタスクにある、「色の範囲」の調整をつまみを左右に動かしながら行う。
右に動かすと被写体が削れていくので、全体を見ながら調整する。
9.「ノイズ除去」も同様にプレビュー画面をみながら数値の上げ下げを行う。
10.右下のOKボタンでクロマキー合成が完成する。
このソフトは、YouTubeやニコニコ動画へのアップロード機能を搭載しています。
Adobe Premiere Proの場合
画像引用元 :
Adobe Premiereはアドビシステムズが販売している、プロフェッショナル向けの動画編集ソフトです。
そこには、カラーやグラフィックに対応した充実したクリエイティブツールが揃っています。
Adobe Premiereでの動画を透過する方法は以下の手順です。
1.右側のタスクパネルの「エフェクト」から「ビデオエフェクト」の「キーイング」をクリックして、「Ultraキー」を選択する。
そのUltraキーを合成させたい動画まで、ドラッグアンドドロップする。
2.背景にするファイルを「ビデオ1」に、撮影したグリーンバックの映像を「ビデオ2」に配置する。
3.「エフェクトコントロールパネル」のキーカラーの右にある「スポイトマーク」をクリックする。
4.消したい背景の中で、最も暗い緑(濃い緑)部分をクリックする。
5.「エフェクトコントロールパネル」の「ハイライト」と「ぺデスタル」の値を0にする。
6.「エフェクトコントロールパネル」の「出力」を「アルファチャンネル」にする。
7.「エフェクトコントロールパネル」の「ぺデスタル値」を、背景が真っ暗になるまで増やし調整する。
8.さらに画像のざらつきがなくなるように、「シャドウ」と「許容量」も調整する。
9.「出力」をコンポジットにすれば先ほどの画像に戻るので、確認して自然な背景になっていれば、合成が完了。
Final Cut Pro Xの場合
画像引用元 :Apple Japan
Final Cut Proは、アップルの開発・販売する動画編集ソフト。
特に、アップルのプロフェッショナル向けとなるソフトウェアです。
とりわけ、無料動画編集ソフトのiMovieを使い慣れたユーザーが、プロ並みの編集をしたいと思った時に、スムーズにこの有料の動画編集ソフトに移行することができます。
Final Cut Proを使用して動画を透過する方法は以下の手順です。
1.タイムライン以上に合成したい背景を下、グリーンバックで撮影した動画を上に配置する。
2.右下のエフェクトの中にある、「キーイング」をクリックする。
3.「キーヤー」をグリーンバック上に撮影した動画のクリップ上にドラッグアンドドロップする。
また、エフェクトの「ガウス」も同じようにドラッグアンドドロップすると背景をぼかしたりすることも可能です。
また、グリーンバックに色むらがあるときれいに被写体を抜けないので、微調整を右上のカスタムパネルで行います。
動画の背景を透過させるメリット・デメリット
動画編集で透過させることの、メリットとデメリットについてご紹介します。
そのメリット・デメリットを理解した上で動画を編集するとより、動画のクオリティが上がり、よりオリジナリティの高い動画になります。
透過させるメリット
透過させるメリットとして以下3点をご紹介します。
いずれも、オリジナル性の高い動画を作ることを目的として、動画を透過させます。
1.背景を変えられる。
2.動画にインパクトを与えられる。
3.合成素材を複数重ねられる。
背景を変えられる
クロマキー合成をすることで、簡単に背景を変えられるというメリットがあります。
それは雰囲気を変える場合にも、特定の背景を組み込みたい場合にも有効で、あなたのイメージする背景を組み込むことができます。
動画にインパクトを与えられる
最近Youtube動画で人気の「集中線」や「アニメ」を組み入れるなど、動画自体にインパクトを与えることができます。
また、被写体の位置やサイズも変えられるので、これもオリジナリティのある動画を作るには便利な機能です。
合成素材を複数重ねられる
動画編集ソフトのレイヤー上にいくつもの動画を重ねて合成することができます。
そのためには、全ての素材の背景がグリーンバックにより透過されていることが条件です。
複数の動画の合成ができれば、よりオリジナリティにとんだ動画が出来上がります。
ただし、オリジナルという意味では大変効果的な透過作業ですが、画面がゴチャゴチャしないように、うまく重ね合わせていく注意が必要です。
透過させるデメリット
透過させるデメリットは以下の4点です。
それは、2つの動画を組み合わせる時に、テクニック上起きる歪みがデメリットになります。
1.背景の色が透けてしまう。
2.背景の色が保存されない場合がある。
3.不透明度も保存される。
4.臨場感やリアリティに欠ける。
背景の色が透けてしまう
クロマキー合成では、グリーンバックが必要だとご説明しました。
それは、色を黒白赤青緑と大きく分けて見ると、緑以外は人体でいえば、髪の毛や皮膚の色に近いので、それらを背景に使用すると同化して透けてしまいます。
なので、その中で最も影響が少ないグリーンバックを採用して、クロマキー合成を行っています。
ただし、撮影時の明るさなどの条件によっては、被写体には以下のような服装は避ける必要があります。
グリーンバックに使われている、グリーンはもちろんですが、イエロー系も避ける方がいいでしょう。そして、洋服自体の色もそうですが、ネクタイとかアクセサリーなどにグリーンやイエローが含まれると、その部分が抜けてしまうことがあります。
また、撮影の状態によっては、色の明るさが近いグレー(灰色)でも、色が抜けることがあるので要注意です。
真っ白やラメやシルバーの金属がついた服装の場合でも、キラキラした部分が背景に映り、色が抜けてしまうことがあります。
背景色が保存されないことも
背景色を設定できる動画編集ソフトがあります。
ただし、この設定で背景透過ファイルとして書き出すと、設定した背景色が消える場合があります。
なので、ソフト上で配色するのではなく実際のグリーンバックで撮影しましょう。
不透明度も保存される
グリーンバックで被写体を撮影する時、そのグリーンバックに被写体の影が映ったままクロマキー合成をすると、影の部分も反映されて出来上がりが汚くなります。
つまりこれは、100%未満の色がのった状態で透過処理をすると、その不透明度の部分も保存されてしまうからです。
なので、中途半端に色がついていると、その色が見えてしまいます。
グリーンバックでの撮影は、照明を落とし、被写体の影が映らないよう、注意しましょう。
臨場感やリアリティに欠ける
クロマキー合成を多用しすぎると、合成っぽさ、不自然さがどうしても残ります。
そして、被写体を切り取ったエッジが、ギザギザして不自然だったりすると、臨場感やリアリティに欠ける作品になりがちです。
その他動画の背景を透過できるおすすめソフト2選
先にご紹介した、4本の動画編集ソフト以外にもおすすめソフトが以下の通り2本あります。
1.AviUtl
2.Filmora
これらのソフトについての特徴をご紹介します。
AviUtl
AviUtlは老舗の無料動画編集ソフトで、ノイズ除去や色調補正などのフィルターや動画の連結機能などを備えています。
これは、Windows 10に対応したフリーソフトで、窓の杜ライブラリや作者のWebサイトからダウンロードが可能です。
特に、プラグインで機能を拡張でき、SDKも公開されているため、ユーザーが作成した数多くのプラグインがネット上に公開されいて便利です。
現在では透過PNGに対応したプラグインがあります。
なので、AviUtl上で作った場面を透過画像化する際は、クロマキー合成ができます。
http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
Filmora
クロマキー合成ができる編集用ソフトは、高額になりがちです。
Adobe Premiere Proのように月額を支払って使用するライセンスタイプですと、ランニングコストがかかります。
ですが、このFilmoraは1年のライセンス版と永久ライセンス版とが存在しますが、いずれも1万円程度で購入できる買い切りタイプの編集ソフトです。
これは、Windowsに対応しており、操作がわかりやすく簡単ですので、幅広い層で利用されています。
なので、趣味で動画編集を楽しみたい方や、ビジネスやYoutubeの収益化目的で使用したいけれど、収益金額が未定でリスクが取れないという方には向いているソフトです。
とりわけ、試用期間に制限がないことがFilmoraの最大の魅力です。
例えば、無料体験期間を設けている有料ソフトもありますが、大抵は30日間といった期間限定のものばかりですが、Filmoranにはそれがありません。
なので、無料で事前に使ってみて使い勝手を検証することもできます。
もちろん、使用できる機能も試用期間にも制限はない、自由にいつまでも使えるソフトです。
まとめ「動画編集での透過の方法」
動画編集での透過の方法について、解説しました。
・ソフト別動画を透過させる方法
・動画を透過させるメリット・デメリット
・おすすめの動画編集ソフト
このサイトを参考にして、クロマキー合成というテクニックを身につけて、よりオリジナリティあふれる動画に作成してください。
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